赤い糸のその先は…。

気付けば、私を抱きしめている課長の体が震えていた。


「課長?」 どうしたの? 私は大丈夫だよ?


覗き込んで声を掛けると...辛そうな...苦しそうな目で...


「ゴメンな...守ってやれなくて...ごめんな...。」って..涙を流してた。


課長がスゴク悲しそうだったから、安心させたくて...


だから...両手で課長の頬を包んで...しっかりと目を見て言ってあげた。


「私は、大丈夫だよ。」ってニッコリと微笑みを作って...


そして...今度は私が課長の背中をポンポンしてあげた。


それでも「ごめんな。」って何度も呟いて、課長は私を離そうとしなかった。



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