赤い糸のその先は…。

室長に、念のために病院に行きましょうと言われ、


みんなにも大丈夫だよって言ってその場を後にした。


よく私の居場所がわかりましたねって聞いたら、


病院に行く途中、タクシーのなかで室長が教えてくれた。




田辺さんが、システム室にスグに行くと言っていた私の代わりに、


一条の仲間が来たのを不振に思って課長に連絡を入れ、


そこで、私がいなくなったのに気が付いたんだとか。


それから、課長は幸田君と麻美ちゃん、ユキちゃんと手分けして探しまわり、


田辺さんと室長は、パソコンから私の『自称親衛隊』に一斉メールを送信して、


目撃情報を集めて場所を特定したらしい。


一応、外に連れ出された可能性も考え、


お兄ちゃんと健さんにも連絡を入れて来てもらったみたい。


「ゆずは、みんなに大切に守られているんだから...

誰もお前を傷つけることは出来ないんだよ...。」


だから、心に傷を残すことはないからねってお兄ちゃんが言ってくれた。


お兄ちゃんは、タクシーに乗ってから私をずっとハグしてくれている、


室長は、優しく体を擦ってくれたり、手をギュって握りしめてくれる。


「私って...みんなに、愛されているんだね。 私って幸せ者だね。」って


お兄ちゃんの腕の中で呟いた。


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