赤い糸のその先は…。
目の前には彼女が立っていた。
振り返った彼女は...。
絶句した。
髪は乱れて、ブラウスのボタンは引き千切られたんだろうか胸元が肌蹴ている。
白い肌には、いくつもの赤い痣。
頬が腫れ上がって血が滲んでいる口元。
あまりにも痛々し過ぎる。
アイツを殺してやりたいぐらいの憎しみが込み上げてきた。
そんな事よりも、目の前の彼女を抱きしめてやらなければ...
抱きしめてやらないと、今にでも彼女が崩れ落ちてしまう...そう思った。
彼女にゆっくりと歩み寄り、自分のジャケットを脱いで彼女を包み込んだ。
抱きしめたら、壊れてしまわないだろうか?
俺は、もろく壊れそうな彼女の肩を引き寄せて抱きしめた。