赤い糸のその先は…。
「はぁぁぁぁ・・・。」私には珍しく長い溜息がでた。
企画課なんて未知の世界でやっていけるのかなぁ
ガラにもなく、不安そうな顔をしていたら、
室長が栄転祝いで奢ってくれるというので、
ユキちゃんと麻美ちゃんと4人でランチにきた。 社員食堂だけどね。
「言っておくけど、奢るのは”ゆず”だけよ。」
「えーっ!! なんで、ゆずだけなのぉ? ずるいぃぃい!!」
「ユキちゃんたら、今日はゆずちゃんの栄転のお祝いなんだから。」
それにしても、栄転って何ナノ? 別に役職に就いたわけでもないし、
ポジション的には下っ端だし。
「あら、ゆず。企画といえばわが社では花形的部署よ。
ヒット商品で売り上げを伸ばせば会社に貢献できるし、出世できるわよ。」
室長って何者? すぐ、私の心の声を聴きとってしまう超能力者ですか。
「室長の嘘つき。今日は顔合わせだけって言ったのに・・・。」
ちょっぴり室長に八つ当たりした。
「やだわ。 いくら私でも田崎課長の考えまで解らないわよ。」
そのあとに、ゆずの考えそうな事はわかるけどねって、
室長が付け足して言うと、
「そうそう、本人は気づいていないのかもしれないけど、
ゆずは結構顔に出るタイプよ。」とユキちゃん。
えっ?そうなの? 三人と見渡せば、三人とも頷いているし...。