赤い糸のその先は…。
そして、くすぐったくなるような例の眼差しを向けてくる。
「ゆず、俺と暮らさないか?」
「へっ?」何を唐突に言い出すんですか?
「裕也さんが姉貴と結婚したら、姉貴のマンションで暮らすらしいし、
健さんも彼女と結婚するっていうし、
雅恵さんもそれを機に再婚するって言うじゃないか。
そしたら、お前が一人になるだろ?」
「子供じゃないんだから、雅恵さんが居なくても自分の事は出来ますよ?
ちゃんと独り暮らしぐらい出来ますって。」
だから、課長は心配しなくてもいいですよ?
「......。」
課長は少し眉を下げて、ため息をついた。
まるで、子供の主張を呆れるように...。
なんだか小馬鹿にされたようで悔しくて、少し拗ねてみた。
なにさっ。 大丈夫なのにさっ。
「俺は、明日から2週間出張に行って来る。
帰ってきたら、その時に返事をくれ。」
「えっ? そんなに長く行ってるんですか?」