赤い糸のその先は…。
「それにしても、パパったら、よくも私からゆずを引き離してくれたわね。」
しばらくは絶交だと息巻いているユキちゃんは、
実は企画部の佐藤部長の愛娘。
だから、愛娘の友達の私の事をいつも『ゆずちゃん』って呼ぶのよね。
「でも、私はゆずちゃんと企画で一緒のフロアになって嬉しいな。」
そうだ、今度は麻美ちゃんと同じなんだ。うん、私も嬉しいよ。 麻美ちゃん。
「ユキも拗ねないの。これは、人事が決めた事なんだし、
何よりも私がいるじゃない。」
「し、室長ぉぉおおお。」
・・・って言いながら、なぜか私に抱き着くユキちゃんに、
室長は向かえの席から手を伸ばしてヨシヨシと頭をなぜてあげていた。
やれやれ。