赤い糸のその先は…。

うちの秘書課は、配属3年間は交代で受付業務もすることになっている。


受付にいると、会社に出入りしている取引先などが把握できるからだとか。


おかげで、割と早くに社内の人はもちろん取引業者も覚えられた。


「課長、資料を受け取ってきました。」


「じゃあ、それを見やすいように作り直してくれ。」


えっ? これだって、十分に解りやすいですけど・・・。


「意味が解らないって顔をしてるな。 

商品ごとに、クレームや要望を並べ変えてわかりやすくしてほしいんだ。

さっと、目を通しただけで開発課のメンバーが商品の改善点を理解することが

出来るだろ?会議で話合いもしやすくなる。」



あーぁ、そっかぁ、なるほどねぇ。 うむうむ。


「わかったか? じゃあ、頼むぞ。」


そう言いながら、私の頭をクシャリと撫ぜて自分のデスクに戻って行った。


解りやすく、ちゃんと指示してくれたから、


意外とイイ上司かもって思っていたら...


「それ、今日中な。」


「・・・・・。」 なんですと?


くぅぅっ、やっぱ感じワルッ! 健さんと同レベルだ。


こうなったら、必殺速読法でざっと資料に目と通して...


一心不乱にパソコンに打ち込んでやるぅぅぅうう!





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