赤い糸のその先は…。
剥がれた鉄仮面
そう、3年前にこんなやり取りをした事がある。
思い出した。
でも、目の前の人は・・・。
「あれ?顔が違うかも。整形しました?」
ぷっ、あはははは。
・・・課長が笑い出した。 鉄仮面が剥がれた?
「整形はしていないよ。 しいて言えば髪型が変わったぐらいかなぁ。
眼鏡は伊達だけどね。」
「えっ?でも、私が傘を貸したのは・・・こう目が吊り上っていて、
無愛想でいつも怖い顔をしてて笑うことがないような・・・」
当時を思い出しながら、自分の顔で真似をしてみた。
私のヘンな顔真似を見ながら、益々笑いにハマったみたいで、
課長はお腹を抱えだしていた。
まぁ、本当に本人だったら、私ってば失礼な事言ってるし、
馬鹿にしているみたいだよね。これって。
自分の記憶に自信が無くなって、だんだんと声が小さくなってしまった私に、
「そっかぁ、そんな風に見られてたんだぁ。」
ふぅーっと、課長がため息をついた。