赤い糸のその先は…。
幸太郎saido
彼女に会ったのは、三年前だった。
親父が心筋梗塞で倒れ、兄貴が親父の後を継いで社長になった年。
学生の頃のバイク事故で片足が義足になった兄貴は、
『おまえは、自由に好きな事に挑戦しろ。 俺の分もな。』
...って言ってくれていたが、
俺も家族として会社を、兄貴を支えたかった。
でも、妾の子だと言って、俺の存在を疎ましく思っている会社の上役連中には
何かと中傷され続けて、正直うんざりしていた。
昼間くらいは会社から離れたくて、近くの食堂やレストランに行くと、
今度は俺を芸能人やモデルと勘違いをして、
隠れて写真を撮る輩に出くわした。
ヒドイ時には、握手をねだられ、一緒に写真を撮ろうとを迫られた。
そんな時、隠れ家的なカフェだと姉貴から教えてもらったところが
彼女と初めてあった場所『リーフ』だった。