赤い糸のその先は…。
聞くと、『リーフ』のマスターは姉貴とは中学からの同級生で、
俺とも小学生の時に何度か会ったことがあるという。
マスターは俺の事情を姉貴から聞いているようで、
他の客からは死角になるように特別に席を作ってくれていた。
そこは、とてもオフィス街の中にあるとは思えないような解放感があり、
窓から見える庭先の木々や花々には目が安らいだ。
ぼんやりと庭を眺めていると、なんだか何か懐かしい気分になったりもした。
だけど、せっかく穏やかな気分でいても、
女が近づいて来ると、つい、イラついてきてしまうのだ。
女という女は、ウザイ存在でしかなくなっていた俺は、
注文すらも聞きに来てほしくなくて、
女のスタッフが来た時には不愛想に突き放した。
「いつもの」って不機嫌に言えば、
大抵の女はオロオロと狼狽えて2度と近づいて来ない。