赤い糸のその先は…。
それから、なんとなく目で追うようになってしまった。
俺って、女が嫌いじゃなかったか?
女なんてウザイと感じていなかったか?
他の客とも親しげに会話を楽しんでいたり、
仕事仲間達とも楽しそうにしている彼女を見ているうちに、
最初の出会い方が普通だったら?
俺がもうちょっと愛想を良くしていたら?
そうしていたら、自然に笑いかけてくれたんだろうかって...
...俺は、そう考えている自分に気が付いてしまった。
なんだ?俺も彼女と会話がしたいのか?
今の俺は、他の客と同じだ。彼女にとって特別な存在じゃない。
ただの客でしかない。
ははっ。 自分が可笑しくてたまらない。この俺がなんてザマだ。
まてよ。 彼女はいくつなんだ? 女子大生か?
俺より年下ってことは確かだよな。