赤い糸のその先は…。

大阪支社に異動する前日。


彼女に一目会いたくて、2時過ぎに『リーフ』にやって来た。


これって、重症だよな。


1時間たっても彼女は現れなくて、


「今日は、休みだったんだな」って独り言をつぶやいて店を出た。


そんな時、


ピンクの傘をさした女子高生が、走って店の軒下まで駆け込んできた。


はぁはぁと息を切らして、濡れた足元を眺めている。


外は通り雨のようにドシャ降りになっていた。


さっきまでは晴れていたのに、まるで俺の心の中みたいだな。


「まいったな。」





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