赤い糸のその先は…。
突然の告白
せっかくの週末も、鬼...いや...田崎課長から仕事をたんまりと依頼されて
今日も残業確定だ。
この一か月、課長の下で働くようになってから毎日がこんな調子。
結局、課長の行動に驚いて傘を返してもらうのを忘れちゃったけど…
まぁ、いっかぁ。もうピンクの傘なんてお子ちゃま仕様だから使わないし。
「ゆずちゃん、今日も残業かい?」
あっ、システム室の田辺さん。
「そうなんですよぉ。 だから、せっかくのお誘いなんですが
行けそうにないです。」
「そうなんだ。残念。久しぶりの同期会だったから声を掛けてみたんだけど、
また、今度誘うよ。」
そう言いながら、田辺さんは『僕は二人っきりの方がいいんだけどね』って
私の耳元で囁いた。
田辺さんって、こういうキャラだっけ?
ちょっとビックリして肩をすくめていると、
田辺さんの背後から課長が姿を見せた。