赤い糸のその先は…。

俺は姉貴に連れられて『リーフ』にやって来た。


店は閉店していたけど、裕也さんはまだ店にいるらしい。


「こんばんは」


「やぁ、いらっしゃい。」


彼女の好きな奴は、いつもの穏やかな笑顔で迎えてくれた。


「幸太郎くん、めずらしいね。 小百合と一緒なんて。」


「ふふっ、たまには弟もかまってあげないとね。」


そういえば、この二人って学生の時に付き合っていなかったっけ?


これは、最近兄貴から聞いた情報だ。


『あの二人は、昔、恋人同士だったんだよ』って...


「また、付き合いだしたのか?」


「あら、私たち、別れた事なんてないわよ。

まぁ、近くにいたけど遠距離恋愛してたってとこね。」


昔の事を思い出しながら、微笑んで裕也さんを見つめる姉貴に


「ホント、そうだね。」と優しく答える裕也さん。


長年通じ合った二人の独特の雰囲気。 どうやら、本当に恋人同士なんだな。







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