赤い糸のその先は…。

自分に事の成り行きを納得させながら、課長の後ろを歩いていくと、


急に立ち止まった背中にぶつかった。


ドンっ...いったぁ...。


「ククッ。大丈夫か?」


うぅぅ、笑われてしまった。 はずかしい。



立ち止まった先には、真っ赤なアウトドア系の車が止まっていた。


「あれ?意外だ。」ってポソリと言ってしまった私に、


「高級車の方が良かったか?」って覗き込むように聞いてくる課長。


なんだか、今日の課長ってくすぐったい。


声も、眼差しもいつもと違って優しい感じがする。


これって、課長が言う『頑張る』って事?


「いえ、こうタイプの方が好きです。だって、山とか海とかに行けるでしょ?」


「じゃあ、いろんな所に連れて行ってやるよ。 山でも海でも。」


「......。」
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