赤い糸のその先は…。
「なに? 俺に見とれちゃってる?
そんなに見つめられると運転しづらいんだけど?」
あっ、観察してたのバレちゃってたんだ。
そうだよね。 こんな至近距離から見てたんじゃぁね。
「うん、課長ってカッコ良かったんだなぁと思って。」
思ってた事をそのまま口に出したら、
「そりゃ、どうも。」って、口元を掌で隠した。
照れちゃってる?
私が予想外の事を言ったから、
どういう反応をしていいのかわからなくなったのかなぁ。
なんか、照れる課長も貴重だよね。
写メ撮って、ユキちゃんと麻美ちゃんに見せたいな。
そういえば、この車は何処に向かっているんだろう。
ランチには早い時間だし。
そう思っていたら課長が聞いてきた。
「どこか、行きたいとこはあるか?」
「いえ、特にはないです。」
「じゃあ、ちょっと、買い物したいんだけど、いいか?」
「いいですよ。」