【続】自己中心的女教師
稲森颯汰はまた楽しそうに笑った。
「麗紗さんは確か高校の先生なんですよね」
「ええ」
「子供ってかわいいですよね」
「高校生にもなったら…子供とは言い難いですよ」
「それもそうか」
さっきから稲森颯汰の笑った顔しか見ていないような気がする。
よく見たらなかなか男前だ。
髪は純平みたいに長くなく、短めの黒髪。
身体つきもがっしりしてるし、整った顔をしている。
「あ、俺今から仕事だわ」
純平がスマホを見て言った。
「「なんで?!」」
「仕事に理由なんてあるかよ。んじゃ俺抜けるわ」
「待ちなさいよ!お代置いてって!」
「……」
彼は無言で五千円札を置いて出ていった。