私と先輩。
この本は、一言で言うと恋愛小説で…。
こ、こんな私が恋愛小説なんて読んでたら、バカにされるし。
それに、初恋だってまだだから…。
似合わないに決まってる。
恥ずかしくて、奏にだってこのことは言ってない。
「誠さーん!本、ありました?」
買い終わって満足してる私のところに、ひなたちゃんが走ってきた。
ひなたちゃんの手には、さっきの本屋の紙袋が握られていた。
「あ、うん。ひなたちゃんは?」
「はい、ありました!」
そう言って、ひなたちゃんが見せてくれたのは参考書だった。