私と先輩。


「…何か、あった?俺でよければ、話くらい聞くよ?」


そう言って、佐野先輩は優しく私の頭をポンポンと撫でた。


「っ、ありがとう、ございます…。ぐす、実は、委員長…葉月さんと、柏崎先輩が屋上で、仲良さそうにお昼、食べてて」


「あ~……」


なるほど、と言って先輩は私の隣りに腰掛けた。


無理に、私の話を聞かずに、黙って私の隣りにいてくれる佐野先輩。


本当に、優しい人だ。


「…やっぱ、付き合ってるんですかね…?」


「…まぁ、多分…」


その言葉を聞いて、更に涙が出そうになった。


やっぱ、私なんかが恋なんてしたら、いけないんだろうな…。


この恋は、諦めろって、ことなのかな?



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