私と先輩。
「…うん。でも、諦められるまで、好きでいようって決めたから」
力なく笑うと、奏は目にいっぱいの涙を溜めていて。
「!?ど、どうしたの奏ッ」
「~~っ!だって、誠が…!!」
ゴシゴシと目を拭いて、奏は肩を落としながら席に戻っていった。
え?
奏、何かあったの?
ヴー、ヴー
ポケットに入れていた携帯が、振動していた。
ディスプレイには、『柏崎先輩』と表示されていた。
携帯を持つ手に、力が入る。
〈返事、遅れてゴメン。放課後、教室に行くから〉