私と先輩。


「っ、あ…」


勢いよく起き上がると、


「あれ?最勝寺さんまだ残ってたの?」


先輩だと思って見た相手は、委員長だった。


「ぁ、うん…。委員長は、今帰り?」


「うん。今から塾なんだぁ~…。あ、もう行かなきゃ…。じゃあ、また明日ね、最勝寺さん」


ニコっと笑い手を振って、委員長は教室を出てきた。


笑って、私も手を振り返す。


「…はぁ、もう帰ろうかな」


机にもう一度振り下ろすと、ゴチっという鈍い音がした。


…う、地味に痛い。


少し、涙目になりながらもまた目をつぶっていると。


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