私と先輩。


「…最勝寺さん?」


肩を揺さぶられるけど、そのまま私は寝たふりをしていた。


泣いてたのがバレたくない。


でも、本当はもっと私の名前を呼んで欲しい。


そういうふうに思ってしまった私がいて。


どちらかというと、名前をもっと呼んで欲しいって気持ちの方が強かった。


だから、やっぱり私は寝たふりをしたままで。



…こんなことするのは、ずるいかな?


でも、それでも呼んで欲しい、なんて思ってしまうんだ。


「最勝寺さん?…寝てるの?」


頭の上で、先輩の少し残念そうな声が聞こえてきた。


< 174 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop