私と先輩。


ブツブツと、テスト前に単語を暗記するときのように言葉を続ける。


「委員長と付き合ってるのは知ってます。それでも、私は…」


――ガラガラガラ



「あ…!」


ついに、柏崎先輩が来てしまった。


「?すっごい汗だよ?最勝寺さん」


首をかしげながら笑う柏崎先輩に、つい、きゅんときてしまった。


「あ、すみません…!急に、呼び出したりなんかして…」


謝ると、先輩は気にしてないと言ってくれた。


…ホント、優しいなぁ…。


「あ、その、これ…。そ、それッと…!」


クッキーを差し出しながら、言葉を続ける。


< 191 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop