私と先輩。


「あ、私…その…」


いざ、本番になると動揺してしまって。


さっきまで練習していた言葉も、頭の中から完全に消えてしまっていた。


つい、言葉に詰まってしまう。


「えっと、あの、その…。――…私、先輩のことが好きです」


真剣な顔で、先輩を見て言えば。


先輩の、真剣な顔で私を見ていた。


「前から、先輩のこと好きで…。優しいとことか、一緒にいて落ち着けるとことか「ゴメン」


途中で、遮られてしまった。


「あ…」


「俺、彼女いるから…。ゴメン」


< 192 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop