【完】私、冷たい幼なじみと同居します!!
それにしても、蓮ってば大丈夫かなぁ……
私が家を出るときもまだ蓮は寝ていた。
遅刻しないといいけど。
すると、誰かに肩を叩かれた。
「あ、芹沢君!」
そこにはいつも通りの王子様スマイルを私に向ける、芹沢君がいた。
「おはよ、由那ちゃん。」
「おはよ!あ、先週は私を保健室まで運んでくれてありがとう!!」
私が頭を下げると「由那ちゃんが倒れた瞬間、すごく焦ったよ」と笑った。
芹沢君はやっぱり実写版王子様だ。
少なくとも、うちのクラスには芹沢君ぐらい優しい男子はいないだろう。
「あ、俺も由那ちゃんにお礼言わないと。」
そう言いながら、鞄をあさり始めた。
「あ、これこれ。ずっと借りっ放しだったシャープペン。返すの遅くなってごめん。」
この間貸したピンクのシャープペンを私に手渡す。
「ありがとう、助かった。」
芹沢君はもう一度私に王子様スマイルを見せた。