【完】私、冷たい幼なじみと同居します!!
「……たまたま通りかかっただけ。」
蓮はそう言って自分の頭をくしゃくしゃっと触った。
蓮、すっごく無愛想だけど……やっぱり優しさは昔と同じだね……。
今だって蓮なら足長いし、もっと早く歩けるはずなのにのろのろ歩く、私の歩幅にあわせて歩いてくれてる……んじゃないかな?って思うの。
優しい蓮を見るたびに、胸が熱くて苦しいんだ……。
そして私は少しでも蓮との距離を縮めたくて、一歩蓮の方へ横に動いた。
「近づくな。」
私が蓮の方へ動いた分、蓮は私から横方向に一歩離れた。
「ごめんね……」
蓮と私はいつからこんなに遠い存在になってしまったんだろう?