水色の色鉛筆。
『人魚姫』
出会い。
「碧ちゃん、具合はどう?」
朝。
毎日恒例の看護士の長谷部さん。
「大丈夫です。」
私は長谷部さんが心配しないよう、笑った。
笑わないと、長谷部さんはすぐ心配する。
「そっか、今日も安心ね。」
そう言うと彼女は静かにドアを開け、閉め、
忙しそうな足音をたてながらでていった。
何もないこの部屋。
友達も居ない。
ーーーーしかたない、本でも読もっかな。
疲れるから、あまり本を読まない方が良いらしいけど。