†王道迷宮†
プロローグ
満月の夜
あの日は[夜の用事]があって、あたしはその準備をしている時だった。
いつも騒がしいといえば騒がしいあたしの家。
だけど、今日の騒がしさは限度を越えていて・・・。あたしは何事かと思いながらも、準備を進めていた。
コンコン
ふと扉をノックする音が聞こえてきて、あたしは手を止めた。
「はい。」
凛とした声でそう言うと、青ざめた使用人が入ってきた。その顔にあたしはただ事ではないと、唾を飲み込んだ。