はつたいけん
きょうたの部屋はとてもシンプルで、男の子って感じだ。

部屋にあるのは、テレビとコンポと机とベッドだけ。


「てきとーに座ってて」


「あ、はいっ」


なに緊張してるんだろう私は。

きょうたの部屋に来たのは今日で3回目。

私たちは外でのデートが多い。

だからこうしてたまに家でデートをするのが緊張する。

でもきょうたは全然平気みたい。私より年下なのに、私より大人だと思うときがたくさんある。

見た目も、大人。

身長は聞いたことないけど、私より20ｃｍ高い180ｃｍはあると思う。

髪も高１なのに茶色に染めてて、ねこっ毛でフワフワしてる。

顔なんて、私みたいな不細工が彼女でいいのかなってくらい、カッコいいんだ。

カッコよすぎて、目が合うとすごいドキドキして恥ずかしくなる。

そんなことを考えているときょうたが戻ってきた。


「はい、お茶」


「ありがとう!」


「ねえ、ひろの」


「なあに？」


< 3 / 8 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop