本気の戦い_ 悪天学園×バトルロワイヤル×リアル鬼ごっこ×学園黙示録
第7話 最初のギセイ者 熱魔視点


ダメだ、俺に、そんなこと…っ。


羅奈「熱魔…っ」


選択を迫られる。

殺 したくないよ、だけど。


このままだと、桜威が苦しむ…っ!


零夜「…熱魔!」

熱魔「う…ぁ…」


どうしたらいい?

どうすれば、桜威は助かる?


桜威「…熱魔…っ、早くっ…」

熱魔「う…あぁ…」


一歩一歩、桜威が近付く。

合わせて、俺も後退する。


桜威「もう…無理なんだ、僕は…っ!」


桜威が、俺に向かって手を伸ばす。


熱魔「あぁ…っ、止めろっ!」

羅奈「…っ!」


俺は、その手を振り払った。

そして………


零夜「な…っ!?」


その勢いで、爪が、桜威の喉を…掻き切った。


羅奈「…ねつ、ま…?」

零夜「っ、何を…!」


訳が解らず、顔を上げる。

目に入ったのは、驚いている羅奈達、倒れている桜威、そして、血に濡れた…自らの指先。


熱魔「…え?」

桜威「…ふふ…っ」


少しして理解した俺は、すぐさま桜威に駆け寄った。

羅奈達も、同様に。


零夜「大丈夫か、桜威っ!?」

羅奈「しっかりして…!」

桜威「…はは…、望んだの、とは…違うけど…っ…結末は同じかな…」


息も絶え絶えに言葉を紡ぐ桜威。

俺は何も言えずに、ただ見ていた。


桜威「熱魔…ありがとね…?…僕の最期を…君に任せられて…っ、よかったよ…っ」

熱魔「…ぁ…っ…ぅ」


全てを悟ったかの様に、桜威は目を閉じた。

そして再び口を動かす。


桜威「それからね…羅奈…。僕…っ君のことが……









…好き、だったよ」

羅奈「っえ…」

桜威「…じゃあ…皆……僕は…少し、…お先に……」


そう言うと桜威は、静かに微笑み…

二度と、話すことはなかった。


羅奈「…んな…嘘…っ…!」

零夜「…お前は…」


零夜が、俺の肩を掴む。


零夜「お前はっ、自分が何をしたか、解っているのかっ!?」

熱魔「…うぁ…俺はっ……俺は…っ、桜威を、殺……









っ、うわぁぁぁあぁぁああ"ぁあぁぁああ"ぁぁぁああぁあぁあ"ぁああ――――っ!!」

羅奈「っ、熱魔!?」


熱魔「ひっ、うあ"ぁぁぁああぁっ!!解んねぇよっ、俺はっ!桜威はっ!っあぁぁあぁぁああ"ぁっ!!」

零夜「落ち着け!!」


何故なんだ?桜威が倒れているのは?俺の手が紅いのは?何があった?俺には解んねぇよ、誰か俺に今の状況を教えてくれよ―――っ!!


*―――
今回は神無月がお送りしました☆((
< 13 / 14 >

この作品をシェア

pagetop