色褪せない、あの空へ
「…好きだったよ、尚樹。
尚樹に告白されたとき、本当に嬉しかった」
告白もここだった。
私が無類の空好きだという情報を、どうやら彼はどこかでキャッチしていたようで。
ここで告白されたとき、本当に嬉しかったんだ。
あの、サッカー部期待のエースと呼ばれていた尚樹に告白されるなんて思ってもみなかったから。
あれが一年生のときだから…。
2年と少し、夢が見れたこと、本当によかった。
「…好きだ、沙織」
そう言って、抱きしめられる。
けど。
「私も好き」
「…」
「好きだから、さよならしよう」
出会ったころよりも広くなった胸を強く押し、私は満面の笑みを浮かべ、そう言った。
ねぇ、私、完璧かな。