色褪せない、あの空へ




私は屋上から立ち去ろうと、尚樹の横を通った。

すると。




「卒業式まであと1カ月とちょっとだな…」




尚樹がそう言う。




「そうだね」

「なぁ、沙織」

「うん?」

「楽しかったな」

「…うん」

「中学生活、沙織と一緒に過ごせて、楽しかった。幸せだった」

「…私もよ」




尚樹。

―――尚樹。


大好きよ、ずっと。

たとえ離れていても。

何処に居ても。




「俺、プロの話受ける」

「うん」

「プロになって、沙織、お前を後悔させてやるからな」

「…ふふ、楽しみにしてる」

「だから沙織」

「…うん」

「沙織も沙織の夢を叶えろ」




< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop