色褪せない、あの空へ
私は屋上から立ち去ろうと、尚樹の横を通った。
すると。
「卒業式まであと1カ月とちょっとだな…」
尚樹がそう言う。
「そうだね」
「なぁ、沙織」
「うん?」
「楽しかったな」
「…うん」
「中学生活、沙織と一緒に過ごせて、楽しかった。幸せだった」
「…私もよ」
尚樹。
―――尚樹。
大好きよ、ずっと。
たとえ離れていても。
何処に居ても。
「俺、プロの話受ける」
「うん」
「プロになって、沙織、お前を後悔させてやるからな」
「…ふふ、楽しみにしてる」
「だから沙織」
「…うん」
「沙織も沙織の夢を叶えろ」