『ぱられる☆』
 その中の、一件の家……
 正月も終わり三学期が始まる始業式の二日前、残りの休日を惜しむが如くぐだぐだと自分のベッドに寝ている少年がいる。
荻原眞一郎(おぎはら しんいちろう)である。

 今日もこのまま、夕方が来て飯を食って風呂に入って パソコンやったら終わるのかな~~~とか思いつつ本棚のマンガに手を伸ばす。
 「くぅっ!あと、もうちょっと!」
 で届かない……で読むのを諦めた。
 本当に駄目な少年である。もうすぐで高校生になるというのに……。
 つまり、眞一郎は中三である。

 「うぅ、暇だ………」
 アイスでも食べよよう。とおもむろに起きあがった。
 「うわぁぁ!!理乃!!」
 理乃と呼ばれた少女はいつの間にか、部屋の真ん中にちょこんと正座をして、眞一郎をじっと見つめていた。
 ちなみに、彼の妹である。いつも、眠そうな目をしており、眞一郎にも何を考えているのか、また何に興味があるのか分からない。
 唯一、眞一郎が知ってる事は理乃はエクレアと炭酸飲料に目がないというだけである。

 「いつ入って来たんだよ……」
 「………さっき……」
 「………………………………」
 「………………………………」
 二人の間に静けさが漂う。
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