know
タイトル未編集
ウィーーーン♪フン♪ウィーーーン♪フン♪ウィーーーン♪フン♪ウィーーーン♪フン♪ウィーーーン
♪フン♪
機械音が反響する中リズミカルに鼻歌が混ざる。真夜中のオフィスビルのロビー。
「とりゃっ」
かけ声が響いたと同時にドンっと機械が床を半回転し、方向を変えた。

床磨きの機械はデカくて高回転するモップに振り回されそうになるのを防ぎつつ、床に押し当てて左右に動かして後ろに下がる。こう説明するといとも簡単に感じるがなかなかこれが難しい上に体力使う肉体労働だ。

「ふーぅ」一呼吸つき顔を上げた。

広々としたロビーは昼間ならきっと社員で溢れている場所で、左側のカウンターには見栄えする女性がにこやかにお客を案内するのだろう。

今は誰一人居ない。
掃除する為だけにつけられた電気は極力抑えてあって寒々しい。

外の闇でガラスが鏡になって薄緑のツナギにマスクとゴーグルをかけた私を映し出していた。
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