お姫様に花束を
俺が驚く間もなく城へと連れ戻されたカノン様……。
一体何だったんだ……。
何でこの国の王女様が……。
ていうか、王女様がさっきまで俺の部屋にいたなんて……。
……夢か?
試しに頬を引っ張ってみた。
「……痛い」
現実……か。
テーブルを見れば、カノン様が麦茶を飲んでいたコップが置いてある。
それがさっきまでそこにカノン様がいたことを物語っていた。
王女様なんて……本来俺が関わるはずのない人。
そんな人と関わったことによって……これから俺の人生が大きく変わっていくのであった。