お姫様に花束を
「そーれーに。
カノンは確かに変わったけどさ、それは良い方向に変わったんだよ。
リオンがカノンを変えてくれたんだ。
君はあんなの自分の知ってるカノンじゃないって言ってたけど……。
知らなくて当たり前だよ。
だって、カノンは……」
そう言いながらエリック様は俺の方を見た。
……そして、優しく微笑んだ。
「……カノンは生まれて初めて心から愛しいと思える相手と出会ったんだから。
ロイとはまた違う……大切な相手。
女の子はね、恋をすると変わるんだよ」
……エリック様の言葉を聞いてディラン様はグッと力強く拳を握りしめた。
「……さっきから偉そうに。
あなた、何様のつもりなんですか」
「うーん……強いて言うなら、王子様?」
なんちゃって、と言いながらエリック様は笑った。
……バカにしてる。
この人、完全にディラン様のことバカにしてる……。