お姫様に花束を
カノンside
《ナツメ町民によるデモは収まることを知らず、国は対策に追われています。
そんな中、ナツメ町のプロジェクトを取り仕切るカノン様に対する国民の不信感が日に日に高まり……》
プツッと音をたててテレビの画面が暗くなる。
私はリモコンをテーブルの上に乱暴に置いて、ふかふかのソファーに沈みこむ。
「不信感……か」
大きくため息をつく。
……分かってる。
いくらここで頑張ったところで……ナツメ町民には何も伝わらないって。
だから、私は……
「カノン様、失礼します」
ウェルスの声が聞こえ、扉が開く。
私は体を起こしてウェルスの姿を見る。
その表情で全てを悟った。
「……ダメだったんだ」
「……申し訳ありません」
ウェルスが深々と私に頭を下げる。
「謝らなくていいわ。
ウェルスが悪いんじゃないんだから……」
「……やはり、今カノン様がナツメ町に行かれるのは危険だと……」
「そう国王様が仰ってたのね」
「……はい」
《ナツメ町民によるデモは収まることを知らず、国は対策に追われています。
そんな中、ナツメ町のプロジェクトを取り仕切るカノン様に対する国民の不信感が日に日に高まり……》
プツッと音をたててテレビの画面が暗くなる。
私はリモコンをテーブルの上に乱暴に置いて、ふかふかのソファーに沈みこむ。
「不信感……か」
大きくため息をつく。
……分かってる。
いくらここで頑張ったところで……ナツメ町民には何も伝わらないって。
だから、私は……
「カノン様、失礼します」
ウェルスの声が聞こえ、扉が開く。
私は体を起こしてウェルスの姿を見る。
その表情で全てを悟った。
「……ダメだったんだ」
「……申し訳ありません」
ウェルスが深々と私に頭を下げる。
「謝らなくていいわ。
ウェルスが悪いんじゃないんだから……」
「……やはり、今カノン様がナツメ町に行かれるのは危険だと……」
「そう国王様が仰ってたのね」
「……はい」