お姫様に花束を

……どうしようか。

ソファーに埋もれながら必死で思考を巡らす。

……国王様はこのまま力で黙らせる気なのか。

そんなので……本当に解決するわけがない。


どうしたら………


「……どうしたら……」


ソファーに埋もれながら静かに目を閉じる。

……瞼の裏に見えるのは……リオンの顔。

そして思い出す……温もり。


私は自分で自分の腕をそっと撫でた。


……会いたい。

彼に……会いたい……。


「………リオン……」


本当に小さな声で……彼の名を呟く。


「会いたいなら会いに行けばいいじゃん」


後ろからそんな声が聞こえ、私は慌てて振り返る。

……が、その姿を見て私は呆れたようにため息をついた。


「……また来たの、エリック」

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