お姫様に花束を
「この前来たばかりじゃない。
ラミリアンの王子はそんなに暇なの?」
「きっついこと言うねー、カノン。
ま、確かに暇だけど」
そう言いながらエリックは私の向かいのソファに座る。
そしてテレビをつける。
テレビではさっき私が観ていたのと大して変わらないニュースがやっていた。
「大変そうだねー。
これは早いとこ鎮静化させないともっと大きくなるんじゃない?」
「……かもね」
「かもねって……。
……何か策はあるの?」
「ここまで来たらもう一つしかないと私は思ってる」
エリックは私の表情を見て何かを悟ったのか、フッと頬を緩めた。
「あんまり敵増やすなよ。
ただでさえお前の周りは多いんだから」
「……何言ってるの。
……最初から敵しかいない」
そう……最初から、ずっと。
私の周りには敵しか……いない。
「そうかなー。
少なくとも、俺は一人知ってるけどね。
お前の味方になってくれる奴」
「え……?」
「俺、昨日リオンに会ってきたんだ」
私はその言葉に大きく目を見開いた。