お姫様に花束を

「国のトップに立つ人間が自分の幸せを知らずして、国民の本当の幸せを考えることができるのか?」


本当の……幸せ……。


「お前がいつもいつも無断で城を抜け出してるのは何のためだ?
国民のためにより良い国作りをしたい、そう思ってしてる行動だろ。
周りに何を言われても、その思いを貫き通してるんだろ。
だったら……」


エリックがまっすぐ私を見る。

……いつにも増して真剣な表情で。


「……自分のためにも、それぐらいやってみろよ。
……最後までアイツへの想い……貫き通してみろよ」


……好きだよ。

リオンのことは……好き。

でも……それは許されない想いで……

貫いてはいけない想いで……


……だから離れたのに――


なのに、離れていても想いはどんどん増すばかりで……


私は……私は……どうしたらいいの?

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