お姫様に花束を
「責任なら私が取ります。
ですから……」
私がそう言えば、国王様はフンッと鼻で笑った。
「お前が取る?笑わせるな。
お前みたいな未熟者に何ができる」
っ………。
国王様が私に向ける視線は……相変わらず冷たい。
「……はぁ。
本当に……どうして分かってくれないんだ、カノン」
「私は、ただ……」
「……ロイだったらすぐに理解してくれただろうに」
…………………。
……何でだろう。
国王様の言葉を聞いた瞬間……なぜか……ほんの一瞬だけ……お兄様が憎いと思ってしまった――
何で……どうして……。
そんなことを思ってしまった自分に驚くと同時に……少しでもそんなことを思ってしまった自分を……恐ろしいと感じた。
「ちょっと、あなた……何を言って……!」
目を見開いたまま固まってしまった私を見て、王妃様が慌てて国王様にそう言う。
だけど……そんなの、もう遅かった。
そんなの……もう……。