お姫様に花束を
お願い
リオンside


大好きだったものが……自分も知らないところで大嫌いになってしまいそうな……恐怖。

周りからロイ様と比べられる度に自然に育ってしまった……憎しみ。

……きっと、それが今日……爆発してしまったんだろう。


俺はだんだん落ち着いてきたカノンの頭をそっと撫でながらそう考えた。


「……ごめん、リオン」

「いや……。
……スッキリしたか?」


俺がそう聞くと、カノンは真っ赤になった目で俺を見上げ……小さく笑った。


「……うん。ありがとう」


……なら、よかった。


俺はカノンの頭を自分の胸に押しつけて……もう一度強く抱きしめた。


「リオン……?」

「……ずっと……会いたかった」


城を出てから……ずっと。

カノンのことばかりを考えていた……。

忘れなきゃいけないのに忘れられなくて

どんどん想いは増すばかりだった。

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