お姫様に花束を
「リオン……」
……カノンがそっと俺の背中に手を回した。
「……私も………私も……会いたかった」
そう言いながらカノンは俺の胸に顔を埋める。
俺はそんなカノンを見て……更に強く抱きしめた。
……とにかく今は、この腕の中にいるカノンを離したくなくて。
ただ……愛しくて、愛しくて。
今この瞬間が……すごく幸せに思えた。
「……あのね、リオン」
「ん……?」
「私……やっぱり自分の気持ち……抑えられない……」
カノン……。
「勝手だけど……でも……。
……ちょっと前までは、好きって言ったら負けだと思ってた。
……この気持ちを外に出したら……もうリオンのこと……絶対諦められなくなっちゃうから。
でも、今は……」
「……そんなの……好きって言ったら負けなら……俺に勝ち目ないじゃん」
「え……?」
カノンは少し驚いたような顔をして俺を見た。
……俺はそんなカノンを見ながら、ゆっくりと口を開いた。
「……俺……カノンが好きだ」