お姫様に花束を
「……リオン」
「……やっぱり、それだけは賛成できない。
カノンにもしものことがあったら……」
……考えただけでゾッとする。
危険なことはさせられない。
「……分かった。
……じゃあ、一人で行く」
「は!?」
何言って……!
「……私は何としてでも行く。
行かなきゃいけないの。
絶対……」
……カノンの目は本気だった。
俺が何を言っても考えは変えないだろう。
……俺は諦めたように小さくため息をついた。
「……分かった。俺も行く」
「え……本当に?」
「一人で行かせるわけにはいかないだろ。
何が起こるか分かんないし……」
俺がそう言うと、カノンは目を輝かせながら嬉しそうに笑った。
「……ありがとう、リオン」