お姫様に花束を

「よいしょ……」


何とか体を起こそうと頑張る。

……すると…


「……ひゃっ!?」


さっきよりも強い力で引き寄せられ、リオンの腕にすっぽり収まる。

これは……もしかして……


「……起きてる?」

「……起きてる」


リオンは閉じていた目を開けると、静かに微笑んでおはよと言った。


「もう……起きてるなら言ってよ。
私、頑張ってたんだからね」

「ははっ。
確かに頑張ってたな。
面白かったから寝たフリしてたけど」


そう笑って言うリオン。

私は口を尖らせながらも……その笑顔がとても温かくて、私の心まで温かさが沁み渡ってきた。


「……こんな幸せな朝、初めて」


隣に大好きな人がいることが……こんなに幸せなことなんて、知らなかった。


リオンは私の顔を見て優しく微笑むと、そっと私の頭を撫でた。


「……俺もだよ。
……おはよ、カノン」


そう言ってリオンは私の唇にそっとキスを落とした。

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