お姫様に花束を

「ゲンさん、明日そこへ連れていってくれませんか?」

「……よかろう」


ゲンさんの返事を聞き、カノンが頬を緩ませた……その時だった。


「っ……ちょっと待てよ!」


突然、俺達三人の誰でもない声が響いた。

俺達は驚いて声のした方を見る。

すると、そこにいたのは……


「……ディラン?」


カノンの従兄弟の……ディラン様だった。

カノンは怪訝そうな顔でディラン様を見る。


「あなた……こんなところで何して……」

「それはこっちのセリフだ!
カノン、お前こそこんなところで何を……。
しかも、プロジェクトを中止するとか町民に宣言してたよな!」


聞いてたのか……。

いつからそこにいたんだ……。

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