お姫様に花束を
リオンは小さく笑って、リオンのお腹辺りに回っている私の腕をポンポンと優しく叩いた。
「カノンが謝ることじゃないだろ」
「でも……」
「俺が好きでやったことだし」
リオンはクルッと体の向きを変えると、私の顔を見て優しく微笑んだ。
「カノンに何もなくてよかった」
「リオン……」
私はたまらずにリオンの胸に飛び込んだ。
リオンは私を優しく包み込んでくれた。
「……カノンはすごいよ」
「え……?」
リオンがそっと私の頭を撫でる。
「あれだけの人の前で堂々と話してさ。
俺だったら自分のことあんなに敵視してる人の前であんな立派に話せないよ。
やっぱ王女なんだなって思った」
リオンが小さく笑う。
「でも……」
……リオンは私を抱きしめる力を強くする。
私の顔はぴったりとリオンの胸にくっつく。
「……俺はそんなカノンが好きだよ。
王女として国民のために必死で頑張っているカノンも……こうやって俺の前でだけ見せてくれる本当のカノンも……。
……全部好きなんだなって、改めて思った」
っ………。
ドクン…ドクン…と胸の鼓動が速まっていく。
そんなストレートに言われたら……私……