お姫様に花束を
おじい様がおばあ様にプロポーズした町……。
おじい様とおばあ様が……
そして、お父様とお母様が……
……お兄様と私が。
王家にとっても大切なこの町……
思い出が詰まったこの町……
……守らなきゃいけない。
……ううん。
……守りたいの。
この町の人達の笑顔も……この町の自然も……そして私達の思い出も、全部。
「あー、ボールそっち行ったよ!」
「ちゃんと取れよー」
「ごめんごめん!」
……その時、ふと子供達の楽しそうな声が聞こえてきた。
私が声のした方を見れば、子供達がたくさん集まって遊んでいた。
「公園、だな」
リオンが私の視線の先を辿りながらそう言う。
「ふふっ、楽しそう」
子供達の笑顔を見て、私まで思わず笑顔になる。
やっぱり……子供の笑顔はすごい。
私は……この国の子供達、みんなの笑顔を守りたい……。