お姫様に花束を
「ドッジボールか。
懐かしいな」
リオンが公園でボール遊びをしている子供達を見ながら呟く。
「リオンもやった?」
「やったよ。
小学校の時は休み時間はそればっかりだった」
小さく笑いながらリオンがそう言う。
「俺、結構強かったんだ。
学年で1、2を争うぐらい」
「本当に?」
「本当だって!
俺が一番輝いてた頃だな、あれは」
懐かしそうにリオンは子供達が遊んでいるのを眺める。
「んー……でも、今のリオンもキラキラしてると思うけど」
「え?」
リオンが驚いたように私を見る。
「昔のリオンも見てみたいけど……。
でも、私が好きになったのは今のリオンだから」
私が微笑みながらそう言うと、リオンの頬が少し赤くなった気がした。
「それ……反則」
ボソッとそう呟くと、リオンは大きな手で私の頭をワシャワシャと撫でた。