お姫様に花束を
王妃様は優しい瞳でカノンを見つめる。
そして、ゆっくりと口を開く。
「……カノン。
私達はね……あなたのことを本当に大切に思ってるわ。
もちろん、ロイのことも。
……でも……今までそれを表に出さなすぎたのね。
小さい頃から寂しい思いをさせて……ごめんなさい」
カノンは困惑した表情で王妃様を見る。
「待って……話についていけない……。
どういうこと……?」
「どういうことって……」
「今までずっと親の愛情なんてこれっぽっちも感じたことなんてなかったのよ!
なのに……今さらそんなこと言われても……」
カノン……。
戸惑っているのは分かる。
でも……王妃様の気持ちは本当だと思うんだ。
カノンだって……本当は心のどこかで……
「……そうよね。
そう思われても仕方ないわ。
……私達……あなた達に厳しくしすぎてしまったから」
王妃様がポツリと小さな声で呟く。
「お母様……?」
「……本当はカノンは伸び伸びと育ててやるつもりだったの」
「……え?」